アルコール依存症

アルコール依存症とは、一言であらわすと「仕事や家族などのように大切にすべきものがあるのに、それよりも、お酒を飲みたいという願望を優先している状態に陥ったこと」です。
飲んではいけない状況で飲んでしまう、今日はほどほどにしようと思ったのに酔いつぶれるまで飲んでしまう、飲みすぎで身体をこわしているのにやめられない…など、飲酒のコントロールができなくなります。

原因は多量飲酒

多量飲酒がアルコール依存症の原因となります。「1日に60gを超える飲酒(ビールならば中瓶3本)」を毎日行っている人は危険です。
ただ、アルコールの耐性は人によって異なるため、少ない飲酒量であっても、「家族や仕事よりもお酒を優先している」という状態であるのなら、それはアルコール依存症と判断されます。

恐ろしい禁断症状

手の振るえ、発汗(特に寝汗)、吐き気、嘔吐、心拍数の増加、高血圧といった自律神経症状や不眠、不安、イライラ感、重症になると「虫が身体を這っている」といった幻視や物音などの幻聴、意識消失を伴うけいれん発作などが生じる場合もあります。

仕事や家庭問題

飲酒している時間、酔っている時間や酔いをさましている時間など、飲酒に関係する時間が膨大に費やされるため、職場や家庭での役割を満足に果たすことができなくなります。当然、家族や職場の人たちの信頼が失われることになります。結果、無断欠勤、失職、家庭の不和、別居、離婚などの問題が発生し、現実の問題からますます飲酒に逃避し、状況が悪化することになります。 さらに、酩酊時に自暴自棄になったり、飲酒運転や暴力、警察沙汰といった社会的な問題を引き起こすこともあります。

アルコール依存症の治療

アルコール依存症を改善するためには、入院によって根本からアルコールを絶つことが求められることが多いとされていますが、最近は、外来治療も重要視されています。
入院治療した場合、退院後も薬を飲んだり通院したりしながら、アルコール依存症を改善していきます。
なお、依存レベルの軽い人は、飲酒量低減を治療目標にすることもあります。

知っておきたい飲酒の教養

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