ゲノムとは

ゲノム(genome)とは、ある生物が保有している遺伝情報全体や、その情報を持つDNAのことを示します。

ヒトの場合、23対(計46本)の染色体に遺伝物質であるDNA(デオキシリボ核酸、deoxyribonucleic acid)があり、DNAが特定の塩基配列により記録している遺伝情報のことを遺伝子と呼んでいます。

ヒトのゲノムは「ヒトゲノム計画」において全塩基配列を読み取ることに成功しています。ゲノム研究が進み理解が深まれば、ゲノム上の遺伝子がいつ、どこで、どのように機能しているのか明らかになります。そうなれば、癌や生活習慣病、アレルギー性疾患などの原因遺伝子群を突き止めることができ、医療など様々な技術が進歩すると考えられています。ゲノム内の特定の遺伝子を切断して書き換えを行う「ゲノム編集」というノーベル賞を受賞した技術は、2013年に報告されて以降、既に動植物の品種改良などの分野で普及し始めていますが、ヒトにおいても病気の治療に応用するため、倫理面や安全性に配慮しながらの実用化に向けた研究が進められています。

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