ニュースリリース
2019.07.30 ジーンクエストと国立精神・神経医療研究センター、共同研究成果について論文を発表
株式会社ジーンクエスト(本社:東京都港区、代表取締役:高橋 祥子)と国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター(NCNP、東京都小平市、理事長:水澤英洋)による、日本人を対象にした光くしゃみ反射と偏頭痛および心理的苦痛※1との関連についての共同研究の成果が、専門誌「Neuropsychopharmacology Reports」にて、2019年7月9日に公開されました。
◆研究の概要
光くしゃみ反射とは、目が突然の明るい光を浴びたときに反射的にくしゃみが出る現象です。そのメカニズムは未だ解明されていませんが、副交感神経や三叉神経系の違いにより起きている可能性が示唆されています。
同様に三叉神経系の過敏性がもとになり引き起こされる症状に、偏頭痛や精神症状(てんかんやPTSD、うつ、統合失調症などを含む)が知られており、光くしゃみ反射とこれらの症状は関連している可能性があると考えられました。
そこで本研究では、光くしゃみ反射と偏頭痛、および心理的苦痛の関係に新たな知見を得るために、日本人11,840人を対象としたアンケートより収集されたデータに基づいて調査を行いました。心理的苦痛の測定には、心理的苦痛の簡易的な指標であるK6テスト※2を用いました。
その結果、光くしゃみ反射が起こると答えた人は、そうでない人よりも、より偏頭痛に悩まされることが多く、K6テストのスコアもより高いという傾向がありました。
このことから、光くしゃみ反射と、偏頭痛、および心理的苦痛の間には、これらの症状が生じる共通のメカニズムが存在する可能性が示唆されました。今後の精神神経医学的研究において、偏頭痛や精神症状の研究のために、光くしゃみ反射は重要なターゲットになり得ると考えられます。
※1 心理的苦痛(Psychological distress)とは、心理的な苦痛を感じている状態のことです。抑うつ・不安などを含みます。
※2 K6テストは、 心の健康状態を調べるために開発された6個の質問からなる簡易テストです。心理的苦痛の評価や、精神疾患のスクリーニングに使用されています。一般にK6テスト結果の点数が高いほど、精神的な健康状態が悪化している可能性があると判断されます。
キーワード: 偏頭痛/神経心理学/くしゃみ反射/心理的苦痛/三叉神経
◆研究表題 : Possible association between photic sneeze syndrome and migraine and psychological distress
DOI : 10.1002/npr2.12067
URL : https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/npr2.12067
■企業情報
社名 : 株式会社ジーンクエスト
所在地 : 東京都港区芝五丁目29番11号 G-BASE田町
設立 : 2013年6月20日
資本金 : 110,000千円(資本準備金含む)
代表者 : 代表取締役 高橋 祥子
事業内容: 個人向け遺伝子解析事業
URL : https://genequest.jp/
■ジーンクエストリサーチについて
「ジーンクエストリサーチ」は、国内外の企業、研究者等と連携し、主に遺伝子解析キットを通じて蓄積されたゲノムデータを活用し、遺伝子多型と体質、疾患に関する幅広い研究に取り組んでおります。研究活用に関して同意が得られたユーザーのデータを匿名化し、倫理審査委員会により情報の取扱い、提携先における利用目的等の承認を受けた上で、研究活用します。今後も、共同研究パートナー企業、研究者とともに、サービスと研究のシナジーを創出し、新たな価値の創出を目指し実現してまいります。当社では、共同研究の研究者、パートナー企業様を広く募集しております。
ジーンクエストリサーチURL : https://genequest.jp/forbiz/
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本件に関するお問い合わせ先
株式会社ジーンクエスト
E-mail: support@genequest.jp