ニュースリリース

2022.06.10 ジーンクエスト、食品栄養分野における遺伝的個人差に関する研究成果が「日本栄養・食糧学会 技術賞」を受賞

株式会社ジーンクエスト(代表取締役:高橋祥子、以下「ジーンクエスト」)は、この度、「食品栄養分野における遺伝的個人差に関する研究プラットフォームの開発」に関する研究成果が評価され、令和4年度日本栄養・食糧学会 技術賞を受賞しました。本研究成果は2022年6月10日(金)に開催された第76回日本栄養・食糧学会大会の授賞式・受賞講演にて発表しました。

◆研究成果について
ヒトの遺伝情報の総体であるゲノムの中の一塩基多型(SNP)は、疾患や体質などに影響することが知られていますが、近年の研究により食生活の個人差にもSNPが影響していることが判明しつつあります。しかしながら、アジア系集団、とくに日本人集団を対象とした食品栄養分野の遺伝的個人差に関する研究は殆ど進んでいませんでした。そこで、ジーンクエストでは、日本人における食や栄養応答の個人ゲノム研究を加速するため、遺伝子研究プラットフォーム「ジーンクエストリサーチ」を開発しました。これは、ジーンクエストが2013年に立ち上げた日本初の一般消費者向け大規模遺伝子検査サービスにおいて、既に取得済みの日本人ゲノムデータ活用により実現しています。そのため、研究協力者のリクルートやゲノム解析にかかる莫大なコストをかけることなく、日本人集団の食や栄養に関連する様々な遺伝的個人差の研究が可能となりました。

「ジーンクエストリサーチ」を活用し、ジーンクエストと東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部との研究グループはこれまでに、魚、コーヒー、紅茶の摂取頻度や甘みの嗜好性など、様々な食習慣に関連するSNPが存在することを論文や学会にて報告してきました。これらの研究成果は、個々の遺伝的体質に応じた栄養アドバイスである「パーソナルゲノム栄養」へ応用され、生活習慣病の予防や健康寿命の延伸に貢献することが期待されます。

ジーンクエストでは「食品栄養分野」と「遺伝子」を組み合わせた研究を簡便に行うことのできる研究プラットフォームの開発を続けており、この研究プラットフォームへの参加者は日々増加しております。このプラットフォームを活用して様々な視点からの研究を推進するために、ジーンクエストではアカデミア、企業問わず共同研究パートナーと共に新たな価値の創出を目指し実現してまいります。




◆用語説明
・SNP(一塩基多型)
スニップと発音され、DNA上のたった一箇所の違いを意味しています。Single Nucleotide Polymorphismの略であり、一塩基多型と訳されます。ゲノム中には300万から1000万のSNPが存在していると考えられています。重要な遺伝子領域が作りだすタンパク質を変化させる可能性があり、生活習慣病などはSNPsが複雑に関係していると解明されてきています。

<ジーンクエストについて>
2014年に国内で初めて大規模遺伝子解析サービスを個人向けに展開。生活習慣病など疾患のリスクや体質の特徴など300項目以上におよぶ遺伝子を調べ、病気や形質に関係する遺伝子をチェックできるサービスを提供しています。また「ジーンクエストリサーチ」では、国内外の企業、研究者等と連携し、主に遺伝子解析キットを通じて蓄積されたゲノムデータを活用し、遺伝子多型と体質、疾患に関する幅広い研究に取り組んでおります。研究活用に関して同意が得られたユーザーのデータを匿名化し、倫理審査委員会により情報の取扱い、提携先における利用目的等の承認を受けた上で、研究活用します。今後も、共同研究パートナー企業、研究者とともに、サービスと研究のシナジーを創出し、新たな価値の創出を目指し実現してまいります。当社では、共同研究の研究者、パートナー企業様を広く募集しております。
ジーンクエストリサーチURL: https://genequest.jp/forbiz/

■企業情報
社名  : 株式会社ジーンクエスト
所在地 : 東京都港区芝五丁目29番11号 G-BASE田町
設立  : 2013年6月20日
資本金 : 110,000千円(資本準備金含む)
代表者 : 代表取締役 高橋 祥子
事業内容: 個人向け遺伝子解析事業
URL   : https://genequest.jp/

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