体質

恐怖の持続

恐怖を体験した後、怖い気持ちが持続する個人差についての項目です。

データの信頼性 2
アジア系集団での研究 なし

恐怖の持続とは?

恐怖を学習して備えることは動物が生き残るために必要です。恐怖を経験したあとにその時と似た状況に置かれると、実際に何も起こらなくとも恐怖を感じるようになります(恐怖条件付けといいます)。条件付けされた恐怖は、何も起こらないことが続けば、似た状況に置かれても次第に恐怖を感じなくなり消えていきますが、恐怖がすぐに消えるか長く持続するかは個人によって異なります。

恐怖が消える過程には「内因性カンナビノイド」という、大麻成分によく似た脳内物質への反応系が関与しているといわれていますが、内因性カンナビノイド系に関わるタンパクの遺伝子型によって、恐怖の持続に個人差があったことが複数報告されています。

◆オランダ、ユトレヒト大学の研究グループは、ほぼヨーロッパ人で構成された約150人の集団を対象として、バーチャルリアリティー空間で音・光・場面の条件と電気ショックを組み合わせて恐怖を覚えさせたのち、電気ショックを与えずに条件だけ繰り返したときに、恐怖で生じる瞬きの反応(驚愕瞬目反射)が持続・消失する様子と、CNR1遺伝子という、カンナビノイドを受け取るタンパクの遺伝子型との関連を調査しました。その結果、CNR1遺伝子上のSNP「rs2180619」について、遺伝子型によって恐怖の消失・持続に有意な差があることが見出されました。

◆アメリカ国立衛生研究所 行動ゲノム神経科学研究室の研究チームは、ヨーロッパ人約100人を対象に、モニターに「怒り」や「恐怖」の表情を連続で表示するという、脳の脅威反応を誘因するタスクを実施し、その際測定された脳活動と、FAAH遺伝子という、内因性カンナビノイドの一種を分解する酵素の遺伝子型との関連を調査しました。この結果、FAAH遺伝子上のSNP「rs324420」について、遺伝子型によって恐怖への馴れ具合に有意な差があることが見出されました。

この項目は上記の研究報告から、学習した恐怖が持続するかどうかについての遺伝的傾向を表示しています。


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データの信頼性とは

★★★★
当該項目に関して750人以上を対象としており独立した研究を2つ以上含む報告があるもの、または科学研究コミュニティーにおいてデータの信頼性が広く認められているもの。

★★★
当該項目に関して750人以上を対象とした試験による研究報告があるもの。

★★
当該項目に関して750人未満の小規模な試験による研究報告があるもの。


当該項目に関して100人未満の極めて小規模な試験による研究報告があるもの。

マークなし
当該項目に関して信頼できる研究報告が見つからず、さらなる研究・調査が必要であると考えられるもの。

アジア系集団での研究とは

研究対象が日本人以外である場合、結果が必ずしも日本人に当てはまるとは限りませんが、アジア人の場合は適応できる可能性が高いと考えられます。日本人以外のアジア人対象の研究(エビデンス)を含むかどうかを項目毎に示しています。

この項目は、ポリジェニックスコアを採用しています。

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