CYP(薬物代謝酵素)とは

CYPとは、シトクロムP450(Cytochrome P450)とも呼称され、主には薬物代謝酵素として働き、身体が取り込んだ薬物を酸化反応により分解し、体外に排出しやすい形にする酵素群の総称です。類似した機能と構造をした数十種類の酵素の集まりで、ヒトに投与される薬物の代謝反応の約80%に関与すると言われています。
CYPは主に肝臓に存在して物質の解毒と分解に関与していることが分かっていますが、肝臓以外にも腎、肺、消化管、副腎、脳、皮膚などほとんどすべての臓器に少量ながら存在することが確認されています。
CYP遺伝子の多型により各種薬物の代謝速度に個人差が現れることが解明されています。
酵素の代謝能力(酵素活性)が低いあるいは失活している場合は薬を服用したときに薬物の血中濃度が必要以上に高くなり、本来の投与量を守ったとしても副作用が強く出る可能性があります。一方で、酵素活性が高い場合は薬が治療効果を発揮する前に分解・排出されてしまい、薬の効き目が悪くなる可能性があります。

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