アルコール分解の仕組み

体の中に入った飲食物は、所定の工程を経て、体に吸収されていきます。アルコールも例外ではありません。飲んだお酒は体の中でどのように、吸収、分解されていくのかを理解しておくことはとても大切です。

アルコールの吸収と分解

アルコールの吸収と分解

アルコールは、肝臓で「アルコール脱水素酵素」という分解酵素の働きを受けて、アセトアルデヒドに変化します。また、「ミクロゾームエタノール酸化酵素(MEOS)」も分解に関与しています。脳では、主に「カタラーゼ」がアセトルデヒドに分解しています。
アセトアルデヒドには毒性作用があり、口腔がんや咽頭がん、食道がんなどの原因となります。また、飲酒時に顔が赤くなったり、動悸や吐き気、頭痛を起こす原因にもなります。

体内には存在するアセトアルデヒドを分解することのできる酵素が「アルデヒド脱水素酵素(Ⅱ型とⅠ型があり、主にⅡ型が働く)」と呼ばれるものです。

吸収されたアルコールは、肝臓で「アルコール脱水素酵素」と「アルデヒド脱水素酵素」によって、酢酸に変換されます。さらに、筋肉で酢酸が熱エネルギーを受けることによって、無害な炭酸ガスと水に変換されます。

酔いがさめるまでの時間は?

アルコールが体から消えるまでの速度は、肝臓の大きさや筋肉量、性別、年齢、栄養摂取状態などによって、個人差が大きく4~5倍程度の差があります。
平均値としては、男性が1時間に純アルコールで9g、女性は6.5g程度です。例えば、ビール中瓶1本は純アルコール20gなので、男性では2.2時間、女性では3時間程度はかかります。摂取量と時間は正比例するので、ビール中瓶2本飲んだら、さらに倍の時間がかかります。
この時間は、平均値なので、個人差が大きいことを考慮すると、あくまでも目安に過ぎないということになります。

参考文献・資料

  • 樋口 進ほか (編). 健康日本21推進のためのアルコール保健指導マニュアル. 社会保険研究所

知っておきたい飲酒の教養

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