飲みすぎが引き起こす病気

アルコールによって影響を受けない臓器というのはありません。日常的な多量の飲酒は肝障害などの消化器疾患だけはなく、全身の臓器障害を引き起こします。また、がんや高血圧などの生活習慣病の危険因子にもなります。

お酒の飲みすぎによる身体、精神への影響

病気のリスク

肝臓はアルコールを処理するために働くため、アルコールの大量摂取は肝臓にダイレクトに悪影響を与えます。肝硬変などの肝臓障害を引き起こすことはよく知られています。
また、アルコールの飲みすぎで消化管に異常が起き、消化性胃潰瘍などが起きるケースもあります。加えて、アルコールの大量摂取は発がんリスクを高めます。特に、喉や食道のがんの発生確率が高くなります。乳がんの場合、その発生リスクはアルコールの摂取量と比例することが分かっています。
さらに、尿酸の代謝が異常になるなどの問題もあります。女性の場合は月経障害が起きることもあります。
また、アルコールの大量摂取は、判断力の低下や認知力の低下につながります。さらに飲みすぎることにより、「頭」の問題である認知症が発生しやすくなります。アルコール性認知症という病名もあるほどです。

精神への影響

アルコールは「うつ病」と密接な関係にあります。うつ病を患っている方はアルコールにも依存しやすい傾向にあります。現在、うつ病になっている人の5人に1人程度が、アルコール依存症を併発します。また、自殺する人のうちの2~3人のうちの1人が、アルコールを飲んでいます。

このように、アルコールによって引き起こされる体の病気はたくさんあります。また、アルコールを摂取することによって現在の症状が悪化することもあります。
適量を守り休肝日を守るなど、正しくお酒と付き合うようにしましょう。

参考文献・資料

  • 公益社団法人アルコール健康医学協会 NEWS&REPORT Vol.20 No.1 平成26年7月号

知っておきたい飲酒の教養

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